最近、マネジメントゲームのインストラクターになりたい、マネジメントゲームを自分でも開催したい、という方からの相談を受けることが続きました。そこで、マネジメントゲームの良い講師になるための資質について考えてみました。

 結論を申し上げるというマネジメントゲームは、とても良くできたゲームなので、誰が講師をやっても、一定のご満足をいただくことは可能です。それは、私の歴代の部下たちが一年も経たないうちに、講師として独り立ちをしていることからもわかります。しかし、毎回、大満足を頂くために必要なことは何なのか、それは「借方と貸方がバランスしない貸借対照表を短時間で、合わせる力」ではないかと思っています。

 マネジメントゲームは、受講生に、ご自身のゲームの結果を損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書で表現していただくことにその学習効果の一部があるのですが、どうしても、普段電卓で数字を計算することに慣れていない方にとって、一発で数字が合うというのは奇跡に近いいものがあります。しかし、合わないことは、受講生の方の能力とは全く関係ありません。たまに、講師の方で、受講生の方がなかなか決算できないことに怒り出す方がいると聞くのですが、それはとても愚かなことで、ケアレスミスしたり、手順をなかなか覚えられないことは、別に普段のその方の仕事の中で必要とするという能力とは関係ないことが多いのです。経営者が、数字合わせが苦手でもなんら問題ないでしょう。実際、優秀な経営者の方で決算が全くだめ、という方を私は何人も経験しています。

 ですので、数字が合わないのは当たり前で、合わなければ無理してご自身で合わせるのでなく、講師が合わせてあげたほうが、研修全体の進行がスムーズに行くのです。マネジメントゲームの欠点は、ゲームの進行具合が受講生の決算のスピードによって決まるということなのです。多くの方が決算が終わっているのに、一人のために待ちぼうけさせると全体が白けます。また、予定したゲーム数がこなせない場合もあります。ですから、頑張って自力で合わない5円を合わせていただくことで、全体を15分待たせるくらいなら、講師がまちがいを訂正してあげて3分の遅れで済ませるほうが、全体の進行のためには有意義なのです。

 限られた時間の中で計画していたゲーム数をこなし、講義も行い、予定をオーバーすることなく研修が終了するためには、全体の決算スピードをあげるフォロー力を磨くことが不可欠です。私はゲーム終了してから、決算完了まで3分でできます。ときには、参加社全員の決算を一時間で終えたこともあります。それくらいのスピードになってくると、間違っているところが、浮かんで見えてきます。本当です(笑)

 ですから、マネジメントゲームの講師をしたいと考えている方は、まずご自身がプライに参加し、決算を20期、30期行なって決算スピードを上げること、様々なミスを経験することが必要と考えます。インストラクター研修を受けただけでは、満足度の高いマネジメントゲーム研修は難しいと思うのです。